紙の原料
パルプ
パルプは主に、製材工場で柱や板を生産するときに発生する端材や、用材に適さない丸太や間伐材、建築物を解体した後に発生する解体材などをチップ化したものを原料としています。
化学的に繊維を抽出する方法や機械的にすりつぶして製造する方法があります。用紙にした際、原料材の違いが紙の特長に顕著に現れます。
パルプの種類
木材パルプ
針葉樹パルプ | 繊維は長く、ドイツ語のNadelholzからN材とも言います。 用紙に強度を保たせることが可能です。 |
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広葉樹パルプ | 繊維は細く短く、ドイツ語のLaubholzからL材とも言います。 用紙の地合を整えるために使います。 |
古紙パルプ
すでに用紙になった紙からインクなどを脱墨し、再パルプ化したパルプです。
近年、環境問題重視、資源保護の観点から積極的に利用されています。
非木材パルプ
リンターパルプ | 綿の実に付着する短毛(綿クズ)をパルプ化したものです。 |
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ケナフパルプ | 東南アジアや中国、アフリカ、米国南部などに自生するアオイ科の一年草、ケナフの靭皮(じんぴ)部分を採取し、パルプ化したもの。 針葉樹に似た繊維で、強靭で風合いが良いなどの特徴があります。 |
バガスパルプ | サトウキビから砂糖を採取した後の、カスの堅い部分をパルプ化したものです。 |
バンブー(竹)パルプ | イネ科の多年性、竹をパルプ化したもの。 繊維は比較的短く、美しくしなやかな紙ができます。 |
合成繊維パルプ
木材や石油から人工的に作り出された化学合成繊維をパルプ化したものです。
レーヨン、ビニロンなどがあり、耐久性(強度)、吸湿性、保湿性に優れています。
パルプの産地
紙媒体を依然必要としている今日において、パルプを生産するパルプメーカーはほとんどの国、地域に存在します。中でも、木材パルプは樹種間の違いはもとより同様の種といえどもその生息する環境差により繊維細胞組織が異なり、パルプ化後の繊維特性にさまざまな差異として現れます。特種東海製紙では世界各地のパルプを使用しています。
薬品
内添薬品
原料を調成する段階で添加することにより用紙の品質や機能を特定させる働きがあります。
表面薬品
表面特性付与や印刷適性向上のために薬品を塗布する場合に使われます。
ここでは内添薬品について解説します。
一般的な内添薬品
- 内添サイズ剤
- 紙力増強剤
- 填料
- 染料・顔料
- 定着剤
水
パルプの調成から抄紙に至る製紙の全行程において関わっているのが水です。
例えば、1キログラムの用紙を抄造するためには100キログラムの水が必要といわれます。
使用した水は循環させ、再利用します。