藩札 江戸の製紙と偽造防止技術
- 会期
- 2004年11月22日~2005年4月28日
- 会場
- Pam A館
”財政を再建するため、諸藩が発行した藩札には、デザイン、用紙、印刷の創意が凝らされていた。”
江戸時代ほとんどの藩が、財政を立て直すために、藩内のみで通用する紙幣「藩札」を発行した。およそ1700もの種類があるという。藩札にはデザインや用紙・印刷技術の結集が見られ、当時の技術水準を推し量ることができる。
藩札約200点、同時代の地図などを展示
現在において高度な偽造防止用紙の提供を続けるため、江戸時代末の和紙の技術の中にその基本を探る試みである。
◎用紙の工夫
色紙、漉き入れ漉き合わせ、透かし、エンボス加工、表面塗工、貼り合わせ
◎デザイン・刷りの工夫
特殊文字・隠し文字、精緻な印判、多色刷り
- 会場写真
- 左から越前、勝山藩
■銀五分、■銀壱匁、
■銀二匁、■銀三匁、
■銀拾匁、■銀二拾匁 - 額面の判別が容易となるよう、札の紙の色を変え、宝珠と分銅の数で数を示している。
- 出雲 松江藩 銭壱貫文
- (写真は後ろから光を当てたもの)中央部に「カ」と読める透かしが入っている
- 筑後 柳川藩 銀二拾匁
- 上部の恵比寿・弁財天・大黒天の図柄の中に「ヤナガハ」の文字が隠されている。
- 但馬 加保村 銭五貫文
- 厚めのしっかりとした楮紙に布目状のエンボスが入っている。柿渋で染め、さらに礬砂液に雲母を混入して塗布してある。赤茶色の紙色に雲母がきらきらと光る。