染型紙 Japanese Paper Stencil for Dyeing

会期
2006年2月6日~2006年6月30日
会場
Pam A館 Exhibition Zone

江戸末から昭和期までの染型紙約100点、染物店見本帖などに加え江戸小紋をモチーフにした自社製品を紹介

粋を競う大名たちの裃(かみしも)を仕立てた江戸小紋、優雅な型友禅、夏の涼を誘う藍染めの浴衣・・・いずれも型紙(かたがみ)をもちいて染め出した布です。

染型紙に使われた型地紙(かたじがみ)は、薄く軽く且つ強い紙の特性を生かし、さらに染色の反復使用に耐えるよう、柿渋(かきしぶ)を塗って耐水加工を施し、燻(いぶ)し寝かせたもの。そして錐(きり)などの刃物を用いて様々な模様を彫り刻み、染型紙という「道具」になるのです。美しい染色品を支えているのは一連の工程に携わる多くの職人たちの技と、この紙という素材の機能性にほかなりません。

染色工程の道具でありながら、染型紙には繊細かつ大胆な彫技が冴えわたり、自身が完成した作品であるかのようなきりりとした美しさをたたえています。

特種製紙は、昭和40年代に和紙製型地紙(かたじかみ)に代わる「特種染型紙」を開発、染色業界に供給していました。和紙の型抜きのよさや染料抜けのない性質を洋紙に再現し、水に濡れた時の寸法安定性を兼ね備えた製品でした。後に印刷技術の発達により、型紙による生産は急速に減少、いまやその技術は伝統工芸として、限られた職人たちにより守られています。「特種染型紙」のノウハウは、当社の産業用紙をはじめとした多くの製品に受け継がれています。

また特種製紙では日本の伝統文様に発想を得て、ファンシーペーパーを開発してきました。日本の四季のうつろいや豊かな情緒をエンボスパターンや色調に採りあげ、「江戸小染」や「玉しき」などの製品に再現しております。

染型紙 Japanese Paper Stencil for Dyeing
会場写真